千葉県睦沢町

　　殿部田城は、碇城と北に向かい合っている、比高４０ｍほどの東西に続いている山麓にあった。この辺りを殿部田と呼んでいる。

　女ケ堰に続く２本の川を挟んで、碇城の北、５００ｍほどの位置になる。城址の山の北側にも堰がある。山上には細尾根があるだけで、礼によって、背後の尾根を城塁として取り込んだ谷戸式の館があったのであろう。

　しかし、それにふさわしい谷戸部は見当たらない。ただ、山稜の前面を川が流れており、これと山稜との間の三角形の土地が、城館を営むのにふさわしい場所のように思われる。

　土豪層の居館としては、東西300ｍほどと広大に過ぎるように思われるが、集落そのものを取り込んだ城館として十分に成立しそうな場所でもある。

　この地帯の西側に谷戸には普門寺があり、三角地帯の中心部には須賀神社が祭られている。

　殿部田城の城主等、歴史については未詳である。