ふじみ野市福岡１７３番地にある下福岡城山公園の一帯が福岡城の跡であり、この公園はgoogmapにも掲載されている。かつて新河岸川が蛇行している地点の中心部あたりに位置している。それにしても、見渡す限りの平地である。こんな平坦な地形に「城山」と呼ばれている場所があるというのは、非常に不思議な気がする。しかし、平野部にある竹林を「竹山」と呼んでいたりすることもあるから、地形的に山になっていなくても、城山と呼ぶ場合もあったのであろう。
城山公園には駐車場も設置してあるので、車は安心して停められる。
駐車場の前には城の案内板も設置されている。平成１７年に公園化に伴って発掘調査が行われた際には、幅１２ｍほどのＬ字型の堀が検出されている。また、常滑甕の胴部破片も見つかっているとのことである。
現在は、宅地と耕作地とになっていて、遺構らしきものはほとんど認められない。しかし、『城郭体系』には図が掲載されており、その図を参考にして周囲を散策してみると、北側の張り出し部分と思われる箇所に、唯一、城塁の名残と思われる地形が見られることが分かった。明確な遺構らしきものと言えば、これくらいである。
『城郭体系』には「堀の一部が残っている」とあるのだが、その後の耕地整理で、それらは失われてしまったようだ、
全体の規模としては、ほぼ１３０ｍ四方ほどの単郭の城であったという。
福岡城の歴史について詳しいことは分からない。北条氏の家臣であった富永善左衛門が旧福岡村の一帯を所領としているので、この富永氏が城主であった可能性が考えられるが、伝承などは残されていない。
