新城台城（山武郡芝山町大台字新城台）

　細子城址のすぐ３００ｍほど南に向かい合っている比高30mほどの山稜は新城台と呼ばれる台地で、かつて砦か何かがあったところであろうと『芝山町誌』に掲載されている。

　新城台という地名からして、新しく、砦を見立てたところと言うことなのだろうが、その詳細については明らかではない。東南５００ｍの所には大台城があり、こちらとの関連性も考えられるであろう。

　山稜に登ってみると、堀切はないが、削平はきちんとされている。1郭は長軸30ｍほどで、西側はしっかりと切岸加工されている。東側は全体に自然地形の傾斜であるが、2郭に接する下部の方は切岸加工を行っているようである。

　２も３もちゃんと削平された郭となっている。

　といったことからすると、加工度は高くないものの城郭と見てよさそうである。「新城台」という地名も残されており、新規に築かれた城だったのであろう。

　ただし、上記の通り手間をかけて造成された城であったとは言い難く、急遽造成した砦のようなものだったと思われる。



　新城台城の城主等、歴史については未詳である。

　南東側に大台城があり、北側には飯櫃城があることからすると、この城のある場所は、井田氏と山室氏との境界地区に当たっていると考えられる。

　大台城から至近距離にあることからして、山室氏との境界を監視するための井田氏の城だったと見るのがよさそうである。

南東の大台城の下から遠望する新城台城。	2郭内部。ヤブである。
2郭から見る1郭城塁。下の方は切岸加工されている。	1郭内部。